ロケや撮影の移動手段としてマイクロバスは人気があります。一日レンタルの料金相場や手配の流れ、押さえておきたい注意点を知っておけば、初めてのロケバス手配でもスムーズかつ無駄なく進めることができます。今回は、マイクロバス一日レンタルを検討している方向けに、見積もり前に知っておきたい基礎知識をわかりやすく解説します。

マイクロバス・ロケバスの基本知識

ロケや送迎でよく耳にする「マイクロバス」や「ロケバス」ですが、座席数や荷物の積載量、設備などの違いをきちんと理解しておくことが大切です。この基本を押さえておくと、現場の人数や機材量に合った車種を選びやすくなり、無駄なコストやトラブルを防ぐことができます。ここでは、マイクロバス・ロケバスの特徴や向いている使い方を分かりやすく解説します。

マイクロバスの基本スペック

一般的なマイクロバスは観光バスより一回り小さいサイズであり、定員は20名前後であるケースが多くなっています。正席に加えて補助席が付いている車両もあり、人数が多い現場で重宝します。一方でトランクスペースは車両によって差があり、大型バスのような大容量トランクがないケースも少なくありません。
そのため「人を優先するのか」「機材を優先するのか」を事前に整理し、マイクロバスだけで足りるのか、それともハイエースなどを併用するのかを判断するのが重要です。

ロケ仕様マイクロバスとは

ロケバス会社によっては、マイクロバスをロケ向けにカスタマイズした「ロケ仕様」の車両を用意しているところもあります。車内にメイク台やハンガーパイプ、電源（インバーター）、簡易ラック、クーラーボックスなどが設置され、ヘアメイクやスタイリスト、機材班が作業しやすいよう工夫されています。着替えやメイク直しの回数が多い撮影では、現場の負担を大きく下げることができます。

マイクロバスを一日レンタルする場合の料金相場

マイクロバスを一日レンタルするとき、「だいたいいくらかかるのか」「条件でどこまで金額が変わるのか」は必ず押さえておきたいポイントです。出発地や拘束時間、走行距離、ロケ用途か一般送迎かによって料金相場は大きく変わります。この章では、マイクロバスを一日レンタルする場合のおおよその料金相場と、見積もり金額が上下する主な要素について分かりやすく解説します。

一日貸切の料金イメージ

運転手付きでマイクロバスを一日レンタルした場合、首都圏発の日帰りロケ（拘束9～10時間・走行距離200～250km程度）で、6万円～9万円前後を目安としている会社が多く見られます。
ただし、以下の条件によって料金は大きく変わります。

• ・出発地が都市部か地方か
• ・平日利用か、土日祝・繁忙期か
• ・朝・深夜を含むかどうか
• ・総走行距離（回送距離を含む）
• ・ロケバス専門会社か、一般の貸切バス会社か

ロケバス専門会社では、時間制と距離制を組み合わせた料金体系を採用しているケースが多く、拘束時間が長くなったり、長距離移動になったりすると、その分料金が上がる仕組みです。

ロケバス専門会社と一般貸切バス会社の違い

ロケバス専門会社は、撮影現場に慣れたドライバーが多く、ロケ特有の「待ち時間の多さ」や「急なスケジュール変更」にも対応しやすい点が特徴です。メイク台やハンガーパイプなど撮影向けの装備が充実していることも多く、現場目線で使いやすいサービスが揃っています。

一方、一般の貸切バスは観光や送迎、合宿利用などを想定したサービスが中心であり、車内設備もシンプルなケースがほとんどです。移動だけが目的の現場であれば十分ですが、控室代わりに使いたい場合や頻繁な衣装チェンジがある場合は、ロケバス会社を選んだ方が、使い勝手が良くなります。

※バスのみのレンタルは、レンタカー会社を利用するしかないことに注意しましょう。

※ロケバス事業者は国土交通省大臣より許可を得た事業用（緑ナンバー）車輌を使用しますが、人を運ぶもの(旅客)や荷物を運ぶもの(貨物)、その両方を運ぶもの(貨客混載)など同じ車輌でも取得している許可によって違いがありますので、その点も確認しましょう。

ロケバス手配から当日運行までの流れ

ロケバスをスムーズに活用するためには、見積もり依頼から当日の運行までの一連の流れを把握しておくことが大切です。段取りを理解していないと、連絡漏れやスケジュールの齟齬が生じ、現場進行に影響が出てしまうこともあります。この章では、ロケバス手配の基本的なステップを、準備段階から当日の運行・精算まで順を追って解説します。

事前に整理しておく内容

ロケバスの見積もりを依頼する前に、以下のような情報を整理しておくとスムーズに打ち合わせが進みます。

• ・撮影日と予備日
• ・集合場所と解散場所
• ・立ち寄るロケ地の候補
• ・乗車人数（キャスト・スタッフ・クライアントを含む）
• ・機材や衣装のボリューム
• ・おおまかなタイムテーブル

特に、出庫から帰庫までの全体スケジュールをざっくりでも組んでおくと、バス会社側も「どの車種を出すか」「どういうルートで回るか」を具体的に検討しやすくなります。

ロケバス会社へ見積もり依頼

事前情報がまとまったら、ロケバス会社に見積もりを依頼します。料金や条件は会社によって差があるため、2～3社に相見積もりを取るのが一般的です。
この時は、ロケ用途であることを必ず伝え、撮影内容とタイムテーブル、深夜・早朝の有無、高速道路や有料駐車場の利用予定なども一緒に伝えます。また、雨天中止や日程変更時のキャンセル料についても、このタイミングで確認しておくと安心です。

ルート・車種・積載に関するすり合わせ

依頼先を決めたら、ルートや車種の詳細を詰めていきます。集合場所付近の道路状況、ロケ地周辺の高さ制限や車幅制限、出入り口の位置などを共有し、マイクロバスで問題なく入れるかどうかを確認します。
合わせて、機材や衣装の量から「マイクロバス1台で足りるのか」「ハイエースバンをもう1台追加すべきか」といった構成も相談します。必要なオプション「ハンガーパイプや電源など」がある場合は、ここでまとめて伝えておきましょう。

当日の運行と現場でのやりとり

当日は、ドライバーと直接連絡が取れるよう連絡先を共有し、タイムテーブルを改めて確認します。休憩のタイミングやトイレの場所、ランチ場所なども事前に共有しておくと、現場での動きがスムーズになります。

撮影現場では、天候や進行状況によって予定変更が発生しがちです。大幅な時間変更やロケ地追加などがある場合は、料金が変動する可能性があるため、その場でドライバーや配車担当に相談しながら進行していくことが大切です。

ロケ終了後の精算

ロケ終了後は、最終的な拘束時間と走行距離を確認し、高速代や駐車場代などと合わせて精算します。深夜早朝割増や延長料金が発生している場合もあるため、内訳を一度きちんと確認しておくと、次回の見積もりを検討する時の参考になります。

マイクロバスを一日レンタルする場合の注意点

マイクロバスを一日レンタルする際は、料金だけで判断してしまうと、当日になって「荷物が積みきれない」「待機場所がない」「キャンセル料が想定より高い」といったトラブルにつながるおそれがあります。事前にチェックすべきポイントを知っておけば、安心・安全かつ無駄のないロケ運行がしやすくなります。ここでは、マイクロバスを一日レンタルするときに必ず押さえておきたい注意点を整理して解説します。

人数と荷物に合った車種選び

マイクロバスは乗車人数を優先した車両であるため、機材やスーツケースが多い現場では積載スペースが足りなくなることがあります。無理に詰め込み過ぎると車内が狭くなり、移動のたびに荷物を動かす手間が増え、現場全体のストレスにつながってしまいます。
乗車人数と荷物のバランスを考え、必要に応じてマイクロバスに加えてハイエースやライトバンを組み合わせることで、安全性と快適性を両立しやすくなります。

拘束時間と待機時間に注意する

貸切バスの料金は「走っている時間」だけではなく「待機を含めた拘束時間」で計算されます。出庫から帰庫までの総時間で料金が決まるため、長時間の待ち時間が多いロケでは、その分コストも増えます。
早朝出庫や深夜帰庫が発生する場合は、深夜早朝割増が発生することが多いため、事前に料金体系をよく確認し、できる範囲でスケジュールを調整しておくことが重要です。

集合場所と駐車場所の事前確認

マイクロバスは普通車よりも長い車体であるため、狭い路地や住宅街での長時間停車は近隣トラブルの原因になりやすくなります。集合場所に十分なスペースがあるか、付近に時間貸し駐車場や待機スペースがあるかを事前に確認し、必要であれば事前予約や許可取りを行っておきましょう。

ロケ地によっては、施設側の規定で大型車両の乗り入れに制限がある場合もあるため、ロケハンの段階であわせて確認しておくと安心です。

キャンセル・日程変更のルールを確認

ロケは天候に左右されるため、雨天中止や順延の可能性を常に考えておく必要があります。多くの会社では、前日や当日のキャンセルにキャンセル料が発生します。

見積もりの段階で、キャンセル期限やキャンセル料のパーセンテージ、予備日へのスライドが可能かどうか、車種変更や時間短縮をした場合の扱いなど、細かい条件を確認しておくと、スケジュール変更が発生した際にも慌てずに対応できます。

まとめ

マイクロバスをロケバスとして一日レンタルすることで、キャストやスタッフをまとめて送迎し、複数のロケ地を効率よく回ることができるようになります。待機中は控室代わりとしても活用できるため、現場全体の動線が整理され、撮影に集中しやすい環境が整います。

料金は条件によって変わりますが、運転手付きマイクロバスの一日貸切では、日帰り利用で6万～9万円前後が一つの目安です。日程や人数、ロケ内容を具体的に整理し、複数社から見積もりを取り、拘束時間や距離、キャンセル規定、安全対策などを比較しながらロケバス会社を選ぶことが重要です。

弊社ワイエスロケーション企画では、ロケバスの手配サービスを積極的に行っております。撮影現場で役立つ便利な備品も豊富に揃えており、全て無料でレンタルができます。

また、大阪・京都など関西地域だけではなく、全国規模での対応も行っています。 ロケ・撮影・観光などでマイクロバスをレンタルしたい時には、ぜひワイエスロケーション企画へご連絡下さい。

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